洋書屋トトの読書生活

トトは古代エジプトの知識の神。この世のあらゆる知識を込めた42冊の本を書いたとされています。

『A cold heart』 (Jonathan Kellerman)

 

LA市警 殺人捜査官のMilo Sturgisは、友人の臨床心理医のAlex Delawareをあるギャラリーに呼んだ。そこでは、有望な若いアーティストの絞殺死体が。 Alexは事件現場をみて、衝動的犯罪ではなく連続殺人の可能性を読み取った。
その予想はある有名なギタリストの殺害によって裏付けられる。さらに殺人事件は続き、犯人の狂気のパズルを解き明かすことで、身も凍るような真実へとつながっていく―。

商品解説より翻訳、抜粋

 

Alex Delawaresシリーズ。日本語訳でもマイロとアレックスの二人が活躍するシリーズは少し出ていますが、多分この本は未訳。他のシリーズもあまり翻訳されていないみたいです。ジョナサン・ケラーマンの本は原書では結構出版されているんですが。

この物語はそこまで陰惨なシーンは多くないです。そういうのが苦手でも大丈夫かも(でもちょっとある)。被害者がミュージシャンということもあり、いろいろギターが出てくるのも、昔ギターが好きだった私は楽しめました。

章ごとに複数の人物の視点で切り替わるので、物語を追いかけるのが少し大変でした。老若男女みんな一人称は「I」だから、英語って難しいですよね。でも登場人物の人間性がみんな面白いです。

臨床心理医が主人公なので、心理学用語も少し出てきますがそんなに多くはありません。また、英検1級レベルの単語が、ちょこちょこと出てきました。意外と難しい単語が多いかもしれないです。

しかし何より、登場人物が結構多い。これ誰だっけ・・・と読みなが元にもどることもよくあります。しおりに、登場人物メモを書いていけばよかった、と半分を読み終わったくらいに思いました。これから読まれる方はぜひ。

また、こういう時にKindleの「X-Ray」機能はありがたいですね。文中の人物の名前を選択すれば、どういう文面でその人が出てきたか表示されるので、思い出すのに役立ちます。

私は電子書籍Kindle Oasisで読むことも、紙の本で読むことも、どちらも多いですが、Kindleの機能は辞書機能やたくさん本を持ち運べるところなど、本当に便利だと思います。でも、どちらかといえば紙で読みたい派なので、まだ全部Kindleで読みたいということもなく、いつも値段を参考に、ちょっと紙の本を贔屓目に、選んでいます。

 

 

ちなみに、私は知らなかったのですが、Alex Delawareシリーズの1冊で、全38巻もあるそうです。本書はその17巻になります。この本が気に入ったら、ぜひ他のシリーズも読んでみては。

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