洋書屋トトの読書生活

トトは古代エジプトの知識の神。この世のあらゆる知識を込めた42冊の本を書いたとされています。

書評 英語辞書マイスターへの道 辞書マイスターになろう!

素晴らしい本です。

英語辞書を愛する作法を、学べます。

愛する作法って訳わからないですが、英語辞書に興味が出てきた、でも少し難しいと思っている方にはちょうど良い一冊になると思います。好きな人はもっと好きになる、いろんな辞書が欲しくなる(笑)

ここ数年、辞書を巡る環境は目まぐるしく変わりました。電子辞書の登場が大きかったと思います。紙で買うと高価な辞書が何冊も入っていて、これだけ紙で持ち歩くとしたら、肩抜けるよ、くらいのボリュームのものが、手帳サイズのコンパクトなものに置き換わったのですから。しかし電子辞書の大きな特徴といえばやはり「検索」でしょう。複数の辞書を通してできる串刺し検索から、用例の検索、見出しと訳語の両方ではさんで検索など、紙の辞書では不可能な使い方ができるのですから、一大革命とも言えるのではないでしょうか。

といいながら、わたしは電子辞書は使ったことがありません。今はiPhoneのアプリを使っています。先日のエントリーの物書堂アプリを電子辞書より先に知ってしまいました。やはりこのアプリに慣れると、さすがの電子辞書もちょっと時代遅れのように感じます。

「英語辞書マイスターへの道」に戻ります。

この本では、辞書メディア(紙の辞書から電子辞書、辞書アプリ、ウェブ辞書まで)それぞれの特徴を知ることができます。

面白いのは、辞書の使い方。もちろん今の電子辞書や辞書アプリの辞書の使い方をたっぷり学べます。こんなの教わることなんてないですよね。電子辞書や辞書アプリの特徴である、検索の使い方も、実際に試しながら学べます。

特に、語源にも触れられているのも読みどころ!また、英英辞書はLDOCE、OALDCOBUILDそれぞれ特徴のある学習者向け辞書や、ODEやMWCDなどの一般英語辞書の説明も。何分にもページ数は少なめの本ですので、深く掘り下げてはいないですが、類語辞典やコロケーション 辞典にも触れられています。

全体的に「やってみよう」を試しながら読むのがお勧めですね。出てくる辞書と同じものを同じように引きながら見るのがより楽しいですが、流石に全部持っている人はいないと思います…。しかし、英英辞書はどれも結構ウェブで無料で見れるものも多いですし、Macを使われていれば、ウィズダム英和・和英辞典やODEをひくことができます。

この本で英語辞書にハマった人は、「英語辞書をフル活用する7つの鉄則」や「英語辞書力を鍛える」という2冊もおすすめ。

また、「ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険」もおすすめですよ。MWCD、欲しくなる!

アマゾンのリンクを貼りましたが…、すごい高額で売られています。私は大手の本屋さんで購入しましたが、もし本屋さんで見つけたら、躊躇なく購入されることをお勧めします。