思考の整理学 積ん読レビュー
いくつか積ん読状態になっている本の中から、今日は「思考の整理学」を取り出して読みました。「ペンギン・ハイウェイ」を見てから、ノートを書くのにハマっている昨今、そういえば、うちにもノートに関する名著があった気がする、と思い出しました。単なる思い付きを、アイデアや思考に育て上げることについて、明快な語と言葉で語られるエッセイ集。ボリュームも薄く、気軽に読めます。
様々な思考法が惜しげもなく紹介!、という本ではないです。思考の整理に関するよしなしごとを、そこはかとなく書きつくった(笑)ような気軽に読めるエピソード集です。そのなかで、気になったものを試してみたりするといいのではないでしょうか。
カードを使う昔からの方法は、さすがに今は検索できるアプリを利用する方法が現実的かと思いますが、あえて今の時期、アナログノートを書くのが好きになると、なんとなくカードもやってみたくなりますね。パッとカードを広げて俯瞰し、手を動かして、考えることができるのもら、まだまだアナログの利点です。
読書法も参考になります。まず、読みながらノートを取らない。次々とメモをしてしまって、結局ほとんど大事になってしまう。←気持ち分かります。普通に読んでる時は対して気にも留めないところでも、鉛筆と紙が横にあると、とりあえず重要かも、と思ってメモしてしまう。これを避けるには限りのいいところ(見開き2ページや、一章の終わり、一節の終わりなど)まで読んで、本に印だけつけておく。区切りのいいところにまできたら、振り返って印をつけたところの中から大切と思うのを書き出す。
また、前に読んだ時は、あまりピンとこなかった「メタ・ノート」、今見るととても興味深い!
メタ・ノートとはある一つのテーマを見開き2ページを使ってまとめるもの。それって普通のノート?って感じですが、このメタ・ノートはいきなり書き出すものではなく、その前段階があります。
普段は1冊の手帖を持ち歩き、日々頭に浮かんだことはこの手帖に、書き記しておく。そしてら寝かせる。放っておく。
しばらく日をおいて見返して、面白い、と思ったら、べつのノートに書き写す。これ、まだ「メタ・ノート」ではありません。そのノートは、1ページに1項目。その中で、さらに育とうとするアイデアがあれば、それをやっと、「メタ・ノート」に移します。ノートからノートへ移植していく。この作業を筆者は植物を育てるときに、苗を移していくことに例えます。
大切なのは、放っておいて寝かせること。そしてアイデアを書き写し、違うコンテクスト(そのメモが置かれている状況)を変化させることだそう。場所(コンテクスト)を変えると、新しい芽がでてくる。
筆者は、「これらのノートをながめながら、我が思考、すべて、この中にあり、と思うのは、なかなかいい気持ちである」といいます。わかりますねー、その気持ち。
また、「思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である。」とも。考えること、整理すること、ノートでまとめるのが好きな人、メモ魔の人、みんな楽しめると思います。
ぜひ、読んでみてください!