洋書屋トトの読書生活

トトは古代エジプトの知識の神。この世のあらゆる知識を込めた42冊の本を書いたとされています。

『Divergent』(Veronica Roth)

世界は「性格」によって、“無欲”、“高潔”、“博学”、“平和”、“勇敢”の五派閥に分けられた。16歳、選択儀式にのぞみ、所属する派閥を決めねばならない。しかし運命を決する適性テストで下された診断は、いくつもの派に適性のある異端者(ダイバージェント)。そのことは誰にも明かしてはならない―。ベアトリスは“無欲”に属する親に背き、“勇敢”として生きることを決意する。危険過ぎるサバイバル・ゲームの幕が切って落とされた!

日本語訳書の商品紹介より

ストーリーは、主人公がある「派閥」に入派したあとの訓練・試練の内容が結構占めます。試練を経て新入りのランキングに残れなかったものは、どの派閥にも属さず虐げられる存在の「無派閥」の地位に落とされてしまいます。

それぞれ、他の派閥に対して偏見や対立があります。また、生まれながらにその派閥にあるものと、他の派閥からの転入組の対立があったり、転入組のなかでも嫉妬や対立、思惑、策略があったりと、ランキングに入るための争いが繰り広げられます。

試練に脱落して「無派閥」になってしまったら、社会に属することのできない存在となるので、なかなかランキングが上がらない主人公の焦りや、そして不吉と言われる異端者(ダイバージェント)と判断された戸惑いもあり、家族の分断を招いてしまった後悔のなかで翻弄されます。

そして、派閥同士の対立にも主人公は巻き込まれていくのです…。

この作品はヤングアダルトのジャンルにあたる作品です。10代のティーンエイジャーが対象みたいです。なので、難しい単語は少ないと思います。読みやすいです。

と言いながら、お恥ずかしいですが、物語の中に出てくる、”Ferris wheel”=観覧車という単語を知らなくて、何となく「建物の名前かなあ」と勝手に想像しながら読んでました。当たり前ですが、読んでいても全然ストーリーが追えず、どうしてもシーンが頭に浮かんできません…。

何かおかしい、と思って”Ferris wheel”を調べたら「おぉ、観覧車のことだったのか…」となりました。逐一、単語を調べすぎてしまうと、物語を読むテンポが遅くなって読むのが嫌になるので、面倒くさくて想像で補ったりしていました。

でもめんどくさがらず、ちゃんと単語は辞書ひかないとだめですね。私の場合、せっかく作家の方が創ってくれたドキドキ感を、自分の語学力の無さのせいで汲み取れなかったら、なんだか申し訳ない気持ちになってしまいます。

また、かなり昔に同じくヤングアダルト向けの「Twilight」を辞書をひきながら、すごーく時間がかかって読んだことを思い出しました。もしかしたらあれが洋書のペーパーバックを読んだ初めての本かもしれないです。

Kindleで読む場合は単語をタッチすればその意味が出てきます。また、紙の本の場合でも、辞書アプリを入れたスマホを片手に読めば、簡単に意味を調べることができます。なので、昔に比べてかなり洋書を読むハードルが下がってきたのはとても良いことですね。また、価格も昔とは大きく変わり、電子書籍は本によってはびっくりするほどお安く読めますよね。

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映画もあります!洋書が厳しければ映画を見てから読む、というのもありかもしれません。

ダイバージェント(字幕版)

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