洋書屋トトの読書生活

トトは古代エジプトの知識の神。この世のあらゆる知識を込めた42冊の本を書いたとされています。

ネタバレあり 映画「トランスワールド」 一つの変化で人生は変わっていく。

最初の雰囲気からは、結末が、(というかどういう映画か、かな)が全く予想つかないサスペンス映画。なぜか、バラバラの境遇の3人の男女が森の奥深くの小屋に集まり、奇妙な体験と想像を絶する秘密を知ることに…。

映画はカップルがガソリンスタンドの店を強盗するところから始まる。いかにもやばそうなカップルが、ガソリンスタンドの店主に銃を向け、レジの金を奪います。なぜか女性の方が、レジの奥にある金庫に目がいき、その金庫を開けるように促す。すると店主は全てを見透かしたような口調で諭す。「君の望むものなど入っていない、面白い人生を送っているようだな…」逆上した女性は引き金を引く。

銃声のあと、場面は一転します。冬の森の中、ガス欠で止まった車を

降りて歩く女性(サマンサ)は、やっとのことで小屋にたどり着きます。その小屋には数日前にたどり着いたという男性、トムに出会います。壊れた無線しかない奇妙な小屋で、遠慮がちに会話をする2人。サマンサは妊娠していることを話します。

森から抜け出す方法を模索しているときに、小屋の入り口に一人の女性が倒れていました。サマンサが介抱し、目覚めた女性はなんと映画冒頭で強盗をしたジョディでした。

3人は衝突しながらも少しずつ打ち解け、力を合わせて森を抜け出そうとしますがなぜか、どう森を進んでも、小屋に戻ってきてしまいます。そして森を歩く途中で見つけた不思議なシェルター…。不思議な状況に置かれるなかで、3人の会話の中にちょっとした違和感が出てきます。何気ない、特に気にもしない程度の違和感。そして全然違う境遇なのになぜか気が合うサマンサとジョディ、すぐに衝突するジョディとトム。そして3人の会話にある違和感が、その正体を徐々に明らかになり、全て伏線だったことがわかります。

ここからネタバレ

全員死んでた、ってオチって思いますよね。死んではいるけどそれだけでは終わっていないところがすごいところ。同じような映画がありますよね、私も最初はその映画と間違えてみてたくらい。あれ、なんか違うなーと思いながら。

そして会話の中で、全く違う場所、違う時代から集まったとわかったところで鳥肌が立ちました。そう、会話の端端に表れていた違和感は、生きている時代が違ったからなのです。しかし、最も大事な秘密がまだ隠されています。それはぜひ、映画をみて欲しいと思います。

最後のシーンで、最初のガソリンスタンドの店に戻ります。冒頭と同じく店に訪れたジョディ。しかしその姿は全く違うものでした。

サマンサ役にキャサリン・ウォーターストン。何の映画でみたのか、ずっと考えていたのですが「ファンタスティック・ビースト」のポーペンティナでした。この方。182cmもあるんですね、スクリーンで見るには全然気がつかないですが。そしてトム役のスコット・イーストウッドは、その名前からわかる通り、クリント・イーストウッドの息子。気がつかなかったなあ。