洋書屋トトの読書生活

トトは古代エジプトの知識の神。この世のあらゆる知識を込めた42冊の本を書いたとされています。

ネタバレあり 映画『The Little Stranger』【ザ・リトル・ストレンジャー】レビュー

不要不急の外出を控え、家でAmazonプライムの映画を消化する毎日です。

その中で、ホラーぽい雰囲気を醸しながら、大して怖くなく安心?した【ザ・リトル・ストレンジャー】の感想です。

うーん、感想、難しい。

医師のファラデーは、かつて幼い頃に訪れた屋敷に再び訪れます。しかし、そこは昔の栄光が嘘のように寂れ、まるでお化け屋敷のよう。住むのは年老いた、かつては美しかった女性と、戦争で顔にひどい火傷を負った長男、がさつで使用人のような出で立ちの次女とメイドが一人だけ。

ファラデー医師は、憧れていた屋敷の住人たちと徐々に親交を深めていきます。

しかし、それから不思議な事件が次々と起こり、この屋敷に何かがいる、と感じ、「良くないことが起こる」と告げた長男は屋敷に火をつけ、精神病院に送られてしまいます。

不思議なことばかり起こる寂れた屋敷と、その屋敷に執着するファラデー医師。

そのファラデー医師は、次女に結婚を申し込みます。しかし彼女は気づいていました。もちろん、彼が愛していたのはその女性ではなく、屋敷自体だったんです。

その次女も、最後に屋敷に怪現象を起こしていた犯人を見てしまい、命を落とします。

最後に現れる「リトル・ストレンジャー」こそ、幼いときに屋敷を訪れたときのままの姿のファラデー医師。きっと少年の頃から心はこの屋敷に閉じ込められていたのでしょう。ファラデー医師は子供のころに気持ちをとらわれた屋敷を手に入れたかったのか、それとも幼い頃の自身の魂を取り戻したかったのか。

似たような(家と幽霊、という意味で)映画で、ダニエル・クレイグ主演の「ドリームハウス」の方が、面白い!って感じでした。でも、どちらが好き?と言われると、「ザ・リトル・ストレンジャー」かなあ。。。ゴテゴテのではなく、ザラザラした(?)ゴシック・ホラーがお好きなら、オススメです。