洋書屋トトの読書生活

トトは古代エジプトの知識の神。この世のあらゆる知識を込めた42冊の本を書いたとされています。

兵庫県立美術館 コレクション展 「動く!美術 Motion in Art」 を見てきました。

ずっとコロナの影響で美術館には行けませんでしたが、久しぶりに行ってまいりました。兵庫県立美術館。予定されていた企画展は行われておらず、収蔵されているコレクション展が行われていました。タイトルは「動く!美術 動きはどう表現されてきたか」そのタイトル通り、動きに関係することをテーマにされています。現代アートには実際に動く作品も多いですが、今回はあくまで、「動きを感じさせる」作品です。

いろいろな場所から中に入れる兵庫県立美術ですが、新型コロナウィルス感染症対策として、入れるのは正面入口のみでした。また、チケット売り場前では、サーモグラフィーで熱を測り、マスクの着用が義務付けられていました。たぶん感染があったときのためが、連絡先を書く必要もありました。鉛筆は使用済みと未使用と分けられていて、しっかり対策されているな、と感じました。

朝一番に行ったからか、人も全然いない中、ゆっくりと楽しむことができました。まず小磯良平と金山平三という神戸出身の画家の絵から。コレクションは、企画展の時も見にきているので、何度目かの訪問なので、小磯良平の絵は、またお会いしましたね、といった感じの親しみのある感じで、安心して見れました。

そして、本展で私を迎えてくれたのは、パンフレットの表紙にもなっている、薮内佐斗司「犬モ歩ケバ」。この美術館では有名なわんこですね。壁を通って異次元を突き抜け、また壁から戻ってくる、えんえんと歩き続けているようです。動いていないのに永久運動を感じちゃいますね。

また、今回初めてみたのは野村仁「’Grus’ Score 010 Feb. 11 .2004 07:21」一枚一枚は早朝のまだ明け切っていない空を撮影した写真。鳥の群れが空にかすかな影を置いています。その写真が何枚も左右縦横に並べられ、光が少しずつ増えて空が明けていく様子が美しいグラデーションで描かれます。ため息でる美しさで、是非見ていただきたいです。

また、最後に通る、左右を飾るモノクロームの版画たちも見応えありますよ。エゴン・シーレやルオーのリトグラフも見ることができて、得した気分。地味といえば地味ですが、展示のエンディングのような感じで、いい時間を過ごせたなあ、と感じながら終わることができました。

美術館を出る前に、お決まりのミュージアムショップに立ち寄ります。ミュージアムショップの本のセレクションっていいですよね。兵庫県立美術館のショップのセレクトも好きです。ただ、この手の本は、中々いいお値段がするので簡単に手が出ませんが。

展示品リストとパンフレットを帰って眺めていて、びっくりしました。おお、なんてこと! 展示室5の彫刻群を丸ごと見忘れていた…!奥側にあるので、皆さんはお見逃しのないように、お気をつけて!

兵庫県立美術館 コレクション展 「動く!美術 Motion in Art」