ヴィキングル・オラフソンの、ラモー&ドビュッシーの録音。これも、美しすぎ。
昨日のエントリーに続いて、今日もヴィキングル・オラフソンの録音。
ラモー&ドビュッシーのアルバムをため息をつきながら聞きました。美しい…。
ラモーの曲は、今まであまり馴染みがありませんでした。なので聞いたことがない曲ばかり。ドビュッシーと同じくフランスを代表する作曲家なのに。今まで聞くとすればコンサートの録音にたまに1曲入ることがある?くらい。
不思議なのは、ラモーの生きた時代は1683年から1764年まで、ドビュッシー は1862年から1918年と、その時代は150年くらい差が空いています。
なのに、その二人の曲が、ランダムに見えるように散りばめられても、全く違和感がありません。不思議。
最初から、いきなりドビュッシーの「選ばれし乙女」から前奏曲って。知りませんよ、こんな曲。しかもその後、ラモーの曲が知らない続き、ドビュッシーの版画から、雨の庭や、子供の領分からの曲が2曲続き、またラモーの曲たちが現れる…。無秩序にも見える、しかし類似性のある二人の曲。しかも感じる美しさは同じ。まるでモノクロ写真に写る同じ形をした彫刻。だけど素材が、かたや木材、かたやブロンズでできていたとか、同じものを見てるのに、違う方向から見ているから違う形に見えるとか。なんだか騙されているような気がします。ラモーやドビュッシーの名前が書かれていますが、これは一人の作曲家の曲集なんじゃないか。
とはいえ、そんな訳もなく、オラフソンのセンスのなせるさ技、ということですね。きっと彼の感受性複雑だけど、きっと素敵な色をしています。
「芸術と時間」は、ラモーの歌劇「レ・ポレアド」の曲ですが、オラフソンがピアノにアレンジをしています。いつまでも浸ってられる、心地良い曲。テンポの揺れがそれほど顕著じゃないけど、揺れ、というよりはタイムラプスみたいな感じかな。
全編美しく優しい。「亜麻色の髪の乙女」のような有名曲も、カラッとした感じのタッチで印象が変わります。そして締めくくりはやっぱり≪映像 第1集≫から 第2曲:ラモーを讃えて。ドビュッシーとオラフソンの2人より贈られた、ラモーに捧げる献花ですね。すごく好きなアルバムです。